kensaku

2016年3月29日火曜日

【便潜血だけで大丈夫?】

健康診断で行われている検便。昔は寄生虫検査が主目的でしたが、最近は大腸癌の早期発見のための便潜血反応(便に含まれる血液を調べる)が行われています。
それでは、毎年便潜血検査を受けたら大腸癌は完全に予防できるのかというと、そうではありません。大腸癌(それも、進行癌)のうちの1割が、便潜血反応では見つからないといわれています。

肛門から出血する、お腹が張る、お腹が痛む、便の調子がおかしいなど、何か大腸癌を疑わせる症状があれば健康保険を使って(3割負担の方で7000円程度)大腸内視鏡検査を受けることができます。
ご心配な方は、ぜひ一度大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。

2016年3月24日木曜日

【切れ痔はキチンと治しましょう】

肛門の皮膚に傷ができる裂肛(切れ痔)は、排便時に痛みや出血の症状があり、排便後も痛みが続くのが特徴です。
傷が浅いうちは軟膏の治療で治りますが、繰り返し切れると傷が深く慢性化し、手術が必要になります。
軟膏で治療すると、比較的早く痛みや出血の症状が無くなることがありますが、傷が完全に治っていない場合もあり、再び切れて慢性化することもあります。
「良くなった」と自己判断で治療を中止するのは危険です。

2016年3月3日木曜日

【忘れがころに聞かれる質問;宿便はありますか?】

大腸内視鏡検査を行っている最中、モニターを眺めている患者さんから「宿便は残っていますか?」と聞かれることがあります。
胃や腸の壁は粘膜に覆われており、絶えず表面が脱落して新しい細胞と入れ替わっています。そんな粘膜の表面に長期間こびりついている便など存在するわけがありません。口から入った順に便になり、肛門から出てくることに間違いはないのです。
宿便という言葉は、下剤を売るための『方便』です。